論説・ポンプあいらんど
2017年3月3日 print

EVより自動運転の動向注視

 次世代自動車の世界的な趨勢はいま、EVに向かいつつある。導入補助と燃費規制を背景に、主役は米国、日本から中国へと移り、中国国内では地場メーカーが圧倒的なシェアを占めるといわれている。
 日本でも、米国のゼロエミッションビークル(ZEV)規制に背中を押されて、トヨタがEV量産化にようやく重い腰を上げたとされ、PHVを含めたEVが次世代自動車における主役の座を見据えようとしている。
 ミライが発売された当時は、燃料電池車が一気に次代を席巻するのではないとかの思惑も生まれたが、いまその勢いはすっかり失せている。このまま希少種としての立場に甘んじるか、それともどこかで巻き返しがあるか。水素の特性や世界的な流れをみる限り、前者の可能性が高いように見えるが…。
 とはいえ、世界的には大きな潮流になろうとしているEVといえども、現時点での国内における普及はいまだ10万台足らず。次世代自動車として一定の地位を築くためには、まだいくつかの重篤な課題が残されているというのが実態だ。
 第1の課題は急速充電でさえ30分もかかる充電時間の長さ、第2の課題は航続距離の短さ、そして第3の課題は税収の問題だ。総額で4兆円の自動車用燃料による税収に明確な代替案が示されないうちは、EVなどの次世代自動車に一気に舵が切られるとは到底考えにくい。
 目前に迫っているように見えながら実際にはもう少し先の話というのが、EV普及に向けての諸情勢ではないか。それまでの間、車を動かす燃料・エネルギーの主力がガソリンであり軽油であることに変わりはない。SS業界にとってEV対応以上の喫緊の課題は、目減りする一途の燃料油販売に代わる新たな主力商材の獲得にほかならない。
 その意味で、SS業界にとってEV対応以上に優先順位が高い筆頭株は、自動運転に向けて急加速する車の電装化への対応ということになる。
 国内における自動運転は現時点でレベル2の段階にあり、すでに自動運転を構成するいくつかの新たな技術が導入されている。それらの技術にどこまで対応できるかで、SSが車を商材と捉えることができる余地も決まる。そういう未知の範囲は、今後さらに広がる。対応できなければ、それは直近ではEV以上に厄介な存在となる。