論説・ポンプあいらんど
2017年3月6日 print

SS倒産件数に潜む危機

 帝国データバンクがまとめた2016年のSS倒産件数は、前年比4件減の32件となった。負債総額は約2.4倍の221億4800万円まで膨らみ、09年(345億4100万円)以来の高水準に達した。ここまで負債総額が膨らんだのは、近畿地区を中心にPBSS「ベストプライス」を展開しているアルフレックス(本社・京都市)が163億4100万円の負債を抱えて倒産したことが主因だ。件数は2年連続で前年を下回ったが、後継者の不在をはじめ、破産や負債を抱える前に自主的に廃業を決断した石油販売業者が相当数存在するとみられ、決して石油販売業者を取り巻く経営環境が好転したわけではない。
 石油販売業者数は1978年度末をピークに6割弱も減少し、2015年度末で1万5574社にまで減った。実に37年連続で減少し続けており、石油販売業者の厳しい経営実態が浮き彫りとなっている。最近は、石油製品の需要減や過当競争の激化による燃料油をはじめとしたSS収益の低マージン化の影響で、自主廃業を選択したり、倒産に追い込まれる地場中小販売業者が増えている。
 これ以上のSS減少は、災害時はおろか平時における石油製品の安定供給にも支障を来しかねず、エネルギー供給の“最後の砦”であるSSの社会的使命を果たせなくなりかねない。全石連の森洋会長は、日本全国に張り巡らされたSSネットワークを「これ以上減らしてはならない」、「できうる限り維持・強化していきたい」との所信のもと、SS事業者の7割を占める小規模事業者の視点に立った組織活動を推し進める。その一環として、組合員の個人資産や事業資産価値の消失を少しでも食い止めようと、経営部会傘下に『経営相談室』を新設し、昨年5月から本格始動した。廃業・撤退などの相談に加え、「事業承継」や「事業共同化」、「企業再編・買収」など、企業としての発展を模索する相談案件にもきめ細かく対応。組合員からの多岐多様な個別事案について、専任スタッフが相談を受け付けている。また、必要に応じて会計士、税理士、弁護士など外部有識者と連携して問題解決にあたる。公正競争市場で互いに切磋琢磨しながら、経営力を高めていくことも重要だが、ともに生き残りを目指す“相互扶助”“協調”の精神も不可欠だ。