論説・ポンプあいらんど
2017年3月8日 print

業転市場にみる変化の予兆

 ガソリンの陸上現物(スポット)市場で大きな変化が起きている。陸上スポット市場とはいわゆる業転市場のことだが、2月中旬以降、ガソリン価格が急上昇している。2月中旬時に製油所・蔵取りで100・6円水準だった価格が、足元では107・5円水準、比較すると約7円の大幅上昇となっている。同期間の灯油は1・2円高、軽油は3・5円高にとどまっており、ガソリン独歩高とも言える。
 この間にガソリン輸入価格の独歩高という現象も解消された。一時は最大10円超の格差がついた輸入高・陸上安だが、3月以降は輸入安・陸上高に転じている。輸入価格はバージ船で取引される海上スポットと対比されるもので、著しい陸上安が異常だったとも言えるが、スポット市場は一変し始めている。
 スポット市場をみると、元売再編が本格化する中、系列回帰が進む傾向にある。これが起こると経験則上、陸上スポット玉の買い手が激減し、売り先の細ったスポット価格は下落する。実際そうした過去事例通り今年も陸上安の展開で始まった。
 ただ、今回は展開が一転。系列回帰の中、元売が商社などに対する出荷枠削減を大幅に行ったことが要因だ。背景は製油所トラブルとされるが、そのインパクトは大きい。JXTG誕生が4月に迫る中、「量」から「質」へと転換を感じる関係者も多い。枠の削減で元売から商社などを通じて市場に流れる玉の量が減れば価格は跳ね上がる。内需減の中、出荷枠をさばくため商社などが安値で売り急ぎ価格下落につながることが度々あったことを踏まえると、重大な部分にメスが入ったと言える。
 一方で、こうした展開が続くと次になにが起こるのか。枠の削減は今後、商社などの卸プレイヤー数を減少させる可能性があり、それは陸上スポットをこれまでになく底堅くさせ、業転格差縮小へと向かわせる効果があると予測される。業転格差が縮小すると、それに連動して系列における事後調整の戻し幅も縮まると考えられる。業転格差とともに廉売の温床とされる事後調整の問題にも改善の動きが出ると推測される。
 そして、最も大事なのが卸と小売の価格がきちんと連動した市場メカニズムを構築することである。卸が岩盤化する中、小売価格は相も変わらずの廉売状態となれば、マージン不足が危機的な状態に陥るのは自明の理だからである。