論説・ポンプあいらんど
2017年3月10日 print

注目の災害協定“加賀モデル”

 東日本大震災から6年。先月末にも震度5弱の余震を記録した。国内観測史上最大規模となるマグニチュード9・0の影響はいまなお続いている。
 災害対策基本法に基づき中央防災会議が作成する「防災基本計画」は防災分野の最上位計画に位置し、防災体制のさらなる強化を図るための修正が加えられてきた。1995年には阪神淡路大震災の教訓を反映した全面修正、2011年は東日本大震災を踏まえた地震・津波対策の強化、14年は関東圏の集中豪雪、昨年は関東・東北豪雨を受けた修正などが行われた。地方公共団体は、これに基づき地域防災計画を策定している。
 防災基本計画では、災害に強いまちづくりの一環として“ライフライン施設等の機能確保”を掲げ、「地方公共団体およびライフライン事業者は上下水道、電気、ガス、石油・石油ガス、電話等のライフライン施設について(中略)、系統多重化、拠点の分散、代替施設の整備などによる代替性の確保を進めるものとする」などと明記している。これに対し、燃料備蓄を実施している都道府県の割合は①非常用電源用燃料で「公的備蓄」13%(市町村は17%)、「流通在庫」21%(8%)②緊急車両用燃料は「公的」不明(2%)、「流通」28%(9%)③暖房用燃料は「公的」6%(4%)、「流通」23%(8%)にとどまる。14年時点の調査ゆえ、以降の積み増しも見込まれるが、一層の態勢強化は待ったなしだ。
 その一方、諸般の事情を踏まえて、石油組合と優先供給協定を締結する動きがさらに広がっている。こうした中、石川石協および加賀江沼支部と加賀市との間で、画期的な“加賀モデル”が登場した。「災害時協定に基づく活動の実施によって死亡、負傷、罹病した際には、消防団員等公務災害補償条例の規定に伴い補償する」旨である。同市長は「石油は地域社会のライフライン。補償適用は当然のことで、他の市町村にも広がってほしい」と呼びかけた。石油販売業者による災害対応が「公務にも相当する」との評価を得たものと捉え、この動きの広がりを期待したい。
 翻って、国民一人ひとりの心構えと備えも不可欠。『満タン&プラス1缶』は、ユーザー自身に安心感を得ていただくため、その必要性をアピールする運動である。「備えあれば憂いなし」。3・11を機に、改めて意識高揚を図りたい。