論説・ポンプあいらんど
2017年3月15日 print

国際競争力の原点はSS

 全石連の強い要請を受けて初めて実施された資源エネルギー庁による元売販売子会社ヒアリングで、改めてSSの深刻な低収益状況が浮き彫りになった。5大元売の最大SS子会社の厳しい経営実態が示唆している。
 元売子会社全体の27年度ガソリン販売量は1083万㌔㍑で、そのシェアは20・3%。同年度の消費税込み平均小売単価が131・6円だったから、単純計算でのガソリン売上高は1兆4250億円になる。ここから推計できる元売のSS子会社という業態の売上高は、恐らく総額2兆円を超える。元売にとって最有力な連結子会社となる。
 今回ヒアリング対象となった子会社5社の累計SS数は約1900ヵ所であるから、1社平均380SSを擁する。しかも500坪(1650平方㍍)を超えるようなSSが約4割を占め、セルフ比率が約9割で、しかもコンビニ併設などフル装備の業態化店舗を多く擁する。平均的なSSと比較して、恐ろしく大型で、かつ効率的で、最新鋭で、さらに好立地が多いという印象を持つ。
 ところが27年度は5社中3社が営業赤字を計上したという。平均的な営業利益率がマイナス0・1%というから、ここから推計できる元売子会社の27年度の全体像は、2兆円の売上で20億円の赤字を計上した姿と推計できる。親会社元売からの数量期待が強烈だったのだろうが、それにしても、なんというお粗末な姿であろう。
 製油所の能力を制御する機能を有する第3次高度化法における行政のイメージは、国際競争力強化の観点から、重質油分解装置の稼働率を高める方向であり、元売もそれを歓迎していると仄聞する。割安な重質原油を活用し、割高な白油を多く得ようとする試みは理解できるが、本来なら高い付加価値を有するはずの石油製品が、国内で損益すれすれ、中には出血で売られている。この現状を正常化しない限り、国際競争力を得る試みは机上の空論である。
 2兆円を超えるSS子会社群が粗利益率で5%、計1千億円を超える連結収益を元売に寄与する姿があれば、独立系の特約店向け卸部門でも相当な収益が期待できる環境となるだろう。そうした強固な国内収益基盤があってこそ、アジアのライバルに伍していける姿が描けるのではないか。まず国内から、まず子会社SSから、収益環境を反転上昇させるべきである。