論説・ポンプあいらんど
2017年3月22日 print

精販の共存共栄の再構築

 地域密着が基本の経営スタイルだったSSは、1994年度末の6万421ヵ所から、約20年でほぼ半減レベルとなる3万2333ヵ所にまで減少し、石油サプライチェーンの寸断が生じる危険性が高まっている。少子高齢化の進展・人口減少などに伴う石油製品の需要減少が引き続き見込まれる中で、SS過疎地や大規模災害時の対応を含めて、消費者・顧客への石油製品の安定供給の確保が容易でなくなってきているのだ。
 北関東や首都圏などの販売競争が激しい地域においては、一部のPBSSや安値量販SSに元売販売子会社を巻き込んだ過当競争が激化しており、需要不振に加え、低マージンの常態化で、SS経営は疲弊しており、中小販売業者などのさらなる廃業・撤退が増加することが危惧される状況となっている。
 中小販売業者も過当競争、低マージンの常態化に対して、ただ指をくわえてみているだけではない。従来のガソリン、灯・軽油を中心とした燃料油販売だけでなく、洗車・オイル・バッテリー・タイヤなどの油外商品の販売強化に加え、軽整備・車検・車販などのトータルカーケアサービスを追求する動きや、CVSやコインランドリー、コーヒーショップの併設など、懸命な努力を重ねてきた。
 これに対して、元売各社も系列SSの維持・強化に向けて、様々な支援を行ってきたことを否定するわけではないが、需給ギャップを背景とした系列玉と業転玉の格差や一部元売販売子会社の廉売行為、非系列への売り方・売値などが、中小販売業者の適正マージン確保の阻害要因となっているという批判が根強く、仕切価格体系に対する疑心暗鬼を生み出している。
 一方で系列SS支援の名の下で行われるクレジットカード戦略や接客サービス・技術力の強化に向けた各種研修などを積極的に提案・提供される販売政策も、それらの施策を実践し、有効に活用できるのは一部の特約店に絞られつつあり、系列内での格差が広がることが危惧される。
 1SS1ディーラーが7割を占める石油販売業界において、こうした中小販売業者による継続的・安定的な取引関係が維持されているからこそ、元売各社にも安定的な収益がもたらされているのではないか。こうした安定的なネットワークを支える中小販売業者の視点に立った真の共存・共栄体制の再構築が必要になっている。