企画記事

精製マージン 欧米に比べ日本割高に

エネ庁 日米欧ガソリン収益実態調査

 資源エネルギー庁はこのほど、石油精製分野の国際競争力強化や、石油流通分野における公正競争市場の確立に向け、昨年10月末から議論を重ねている石油精製・流通研究会の調査の一環として、日米欧5ヵ国のガソリン精製・小売マージンの推移(2013年1月~16年9月平均、輸送コスト補正後)を比較分析した。それによると、日本の小売マージンは低位に沈む一方で、精製部門は欧米諸国に比べて比較的高いマージンを確保するなど、アンバランスなコスト構造に陥っていることが浮き彫りとなった。
 小売マージンの実態をみると、コンビニエンスストアの併設など業態化が進む米国が㍑あたりのマージンが最も低く8・5円となった。日本はスーパー・ハイパーの併設SSが台頭している英国と同じ11・1円。その英国以上にスーパー・ハイパー併設SSが市場を席巻しているフランスは15・0円と、米日英を上回る。ドイツはコミッション・エージェント(CA=運営委託)が多いことや、閉店法(深夜休日営業を実質的に禁止する法律で、SSは適用除外となっている)など、独特の小売市場を形成していることもあって5ヵ国で最も多い16・7円を確保している。
 一方、精製マージンは、自動車のディーゼルシフトが進んだ英国とドイツではガソリンに比べ軽油のマージンが多く、ガソリンマージンは低くなっており、それぞれ6・4円、7・1円しかない。次いで高いのが米国で12・0円。日本は15・4円とフランスの16・7円に次いで高いマージンを確保している。
 中長期的に石油製品の需要減少が見込まれる国内市場において、日本の精製・元売会社は経済発展が著しいアジア諸国に輸出などを通じて、国外に新たな販路を見出していくことが大きな課題となっている。精製マージンが高止まりして、コスト削減などの効率化に向けた取り組みが立ち遅れれば、日本の精製・元売会社は輸出競争力を失うおそれがある。輸出競争力の低下は精製業の国際競争力低下を招き、日本の石油産業の衰退につながることが危惧されている。
 一方、精製マージンを系列玉と非系列玉で比較してみると、系列では16・7円のマージンを確保しているのに対し、非系列では10・6円のマージンしか確保しておらず、系列玉と非系列玉との価格差いわゆる業転格差は6・1円に上ることが明らかとなった。高止まりする系列玉の精製マージンに対し、低位に沈む非系列玉のマージンが、公正・透明な取引・競争環境構築の阻害要因になっていることが改めて浮き彫りとなった。また、流通マージンにおける系列玉と非系列玉の比較では、非系列が割安な卸価格により17・0円のマージンを確保しているのに対し、系列は11・0円にとどまっていることがわかった。