論説・ポンプあいらんど
2017年3月24日 print

SSにおける働き方改革

 来週末にはいよいよJXTGが誕生する。石油業界の様々な分野で大きな変化が起こることが予想され、中には変革に長い時間がかかるものもあるだろう。販売業界に直接影響することも多いが、大勢の思いはJXTGが誕生する4月1日を大きな起点として、自由化以降、疲弊を続けてきた販売業界の経営状態を改善へと転回させたいということだ。
 現在、SS現場で困っている問題の1つに人材不足がある。厳しくいえば3Kというハンディを抱えているにもかかわらず、過当競争に明け暮れてきた業界にとっては必然の結末と言えなくもないが、今後さらに深刻化することは間違いない。東京石商が先ごろ開催した大手会で、『深刻な人手不足へのSS業界としての対応』と題し垣見裕司氏(千代田区、垣見油化社長・JX系)が講演、24時間営業の自粛を呼びかけた。出席者から賛同する声も聞かれるが、業界を「量」から「質」へと転換する象徴として、こうした取り組みを行うことは意義深い。
 採算性の低さから、セルフでも24時間営業を躊躇するケースは少なくない。24時間営業は元売販社やフリートSSを含め、大手業者がほとんどであろう。元売や大手の良識を頼りにして、自粛に取り組むハードルはそれほど高くはないのではないか。
 物流を担うトラックの軽油需要、災害時における緊急車両への給油、また利便性という観点からコンビニ併設のSSをどう定義づけるのか、さらに員外SSの動向など課題はあるものの、不採算経営が放置されて良いはずはない。持続可能な業界にするため、精販両業界が胸襟を開けば解決の道はあるはずだ。消費者への利便性を配慮して、SS間の輪番制を再考してみても良い。
 今後は人手不足がますます経営を厳しくさせる。それに対して、職場環境の改善は喫緊の課題となる。現在、国内では“働き方改革”が提唱され、大手企業を中心に改革を実施する動きもみられる。その骨子は、女性参加など多様な人材が働くことができるダイバーシティ経営、仕事と仕事外の生活を両立させるワーク・ライフ・バランス等々。SS業界の実態からみれば遥か彼方のテーマと言えなくもないが、業界としてもできることから少しずつでも改善へと動き出す必要がある。