論説・ポンプあいらんど
2017年3月27日 print

まだ遠い小売業平均利益

 「中小企業が98%」「1SSディーラーが7割強」。2015年度決算期における石油販売業約2500社の実像を集計した全国石油協会の16年度版・石油製品販売業経営実態調査報告書でも、中小規模事業者が我が業界の大勢を占めていることが改めて浮き彫りとなった。
 運営形態の内訳は、「元売系特約店」28%、「元売系販売店」53%、「商社系特約店」5.1%、「商社系販売店」4.4%、「プライベートブランド(PB)」7%、「複数」2.6%。いまなお“元売系”が8割を占めるが、10年前は9割に達していたから、1割減った。「複数」も10~14年度平均で4.4%だったから、減少傾向がうかがえる。これに対し「PB」は、集計を開始した06年度の2.7%から一貫して増加が続き、09~14年度まで増加基調にあった“商社系”の1割弱に次ぐ第3勢力としての存在感がさらに高まっている。
 こうした背景の一因とみられるのが、低収益構造の状態化だ。営業利益ベースの赤字企業比率は3割へと低下したものの、これに営業利益500万円未満まで含めると6割を超え、報告書でも「依然として厳しい経営にある企業が相当数存在しているのが実態」と指摘。また、対売上高営業利益率も1.5%まで改善したが、「原油価格の急落という外部要因による影響が大」とし、小売業平均の2.5%と比べ低水準がなお続いている。
 他方、石油販売業界では社会的な共通課題でもある人手不足の悩みも根深い。同調査をもとに1SS平均ガソリン月間販売量のレンジ(75~100㌔㍑未満)で従業員数を10年前と比較すると、「役員・店主」は0.6人→1.1人、「正社員」は3.4人→2.8人、「派遣社員・契約社員・パート・アルバイト」は2.0人→1.6人、合計で6.0人→5.6人とそれぞれ変化。一般従業員の減員を店主らで補ってもなお少ない状況、あるいは厳しい経営環境を反映した少人数運営とも推察できるが、その一方で油外収益の増強が不可欠と煽られる業界事情は、現有の「人材育成」と「従業員満足度の向上」を優先させる必要性を一層高めている。
 石油販売・SS業として、平時の安全走行支援や社会貢献、災害時も含めた安定供給責務を果たし続けるために、せめて小売業の平均的利益水準を得られないだろうか。