企画記事

自動運転支援システム市場予測

 富士キメラ総研が先ごろまとめた「車載電装システムの世界市場調査」によると、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)や定速走行・車間距離制御装置(ACC)などの先進運転支援システム(ADAS)の世界市場は、2015年の5733億円から25年には3・8倍の2兆1785億円まで拡大すると見通した。
 米国では22年9月までにAEBの標準装備を行うことがNHTSA(米国運輸省の部局)と自動車メーカー20社で合意に至っている。日本では、車載カメラをベースにした富士重工『アイサイト』の認知度が高いほか、16年には日産のミニバン・セレナに高速道路などでアクセル・ブレーキ・ステアリングを自動で制御する部分的な自動化が達成された『プロパイロット』の搭載が開始された。また、スズキやダイハツでもAEBの軽自動車への搭載が進められるなど、大衆車への導入が加速。中長期的にはAEBをはじめとするADAS搭載義務化が主要先進諸国を中心に進み、25年には5千万台超に拡大すると予測した。
 自動運転システムは、レベル0(運転支援なし)、レベル1(安全運転支援)、レベル2(部分的な自動化)、レベル3(条件付き自動化)、レベル4(高次の自動化)、レベル5(完全自動化)の6つのレベルが国際的には広く設定されている。このうち、ADASの延長線上に位置するレベル3~5までの市場については、19年ごろからレベル3が立ち上がり、25年には1兆1330億円まで拡大するとした。
 ただ、自動運転システムは「安全性・信頼性や事故時の責任所在(保険システム)、セキュリティ対策、自動運転からドライバー運転への切り替え手段などが実用化の障壁になっている」と指摘。レベル5の実現には、「詳細な地図データやAIを活用した情報処理・判断システムの構築が要求され、25年までの実現は困難」とした。