論説・ポンプあいらんど
2017年3月31日 print

絶対王者JXTGへの期待

 日本の歴史上で最大の石油会社が、あす誕生する。直近決算の単純合計で約11兆円となる売上高は世界有数、国内最大のエネルギー会社でもある。出光と昭和シェルとの経営統合問題が残っているとはいえ、両社の売上高合計はこの半分強にとどまる。JXTGを超える石油会社は今後もあり得ないだろうから、業界の絶対王者という存在だ。
 国外に向けては、その規模にふさわしい資源権益をどんどん拡大し、日本の国益を守る企業にふさわしい発言力を有する。国内に向けては、経済界でエネルギーと石油の代表者の任を担い、政治と行政を動かす。アジアのライバル企業に対しても、あらゆる面で比較優位を発揮するような企業に飛躍する道を歩んでほしい。
 その業容と規模にふさわしい収益を上げる、ということが絶対王者を動かす経営陣に委ねられる最大のミッションになる。株主の期待値は旧2社の単純合計では満足しないだろうから、それ以上を目指す存在となるだろうし、実現のスピードも要求される。同業者よりも広い事業の領域を有してはいるが、基幹はエネルギーであり、石油である。海外よりも国内である。
 石油部門における稼ぎ頭はなんといっても白油であり、中でも最大油種のガソリンがコア中のコアになる。石油化学は成長領域としてのプラスアルファである。国内のチャンネルでは、薄利を余儀なくされる直売ではなく、かつてのモータリゼーション全盛期から今日までのすべての元売会社の成長エンジンとなったガソリン、灯油、軽油の主たるルートのSSがコア中のコアだ。ガソリンとSSを安定した収益基盤とすることで、新たなエネルギーへのチャレンジも可能になるだろう。
 過去、ガソリンとSSを巡っては、最大手でも10%台の半ばに届かなかった群雄割拠時代の元売間のシェア拡大競争で「過当競争」「消耗戦」が頻発し、25%シェアでも収束しなかったが、絶対王者の誕生で、これらの言葉はもはや死語になる。
 「効率的」な姿で世界標準の面でも、あらゆるユーザーにメリットを還流させ、「透明公正」な姿で石油業界の標準を再定義・構築し、SSルートが自立しつつ自助努力を競う正常な競争環境を築く。王道を歩みつつ、その事業領域を支える系列SSも適正な収益を共有し得る。絶対王者のスタートダッシュに期待する。