ポンプあいらんど

▼若手漫才日本一決定戦「Ｍ―１グランプリ」で昨年12月に優勝した「ミルクボーイ」。「オカンが好きな朝食はコーンフレークか、そうじゃないのか…」。コーンフレークにまつわる「あるあるネタ」を絶妙なかけ合いで展開し、大爆笑をさらった。年始のテレビでも引っ張りだこだった▼「お笑い界での成功は99％が運。でも絶対に１回はチャンスが巡ってくる」。永田石油ガス（静岡県袋井市）の社長で元芸人の永田敬壱氏はこう話す。ミルクボーイはそのチャンスをつかんだといえる▼永田社長はかつて松竹芸能に所属し、「のろし」というコンビで大阪を中心に活躍した。後に東京に進出する「とろサーモン」や「かまいたち」らと賞レースを競い、２００７年に上方漫才大賞新人賞、08年にＡＢＣお笑い新人グランプリ新人賞を受賞。関西の若手芸人の登竜門をたて続けに突破した。だがその後は失速し、コンビを解散。ピン芸人を経て15年に引退した▼最後のライブの後、先輩芸人から電池切れの「Ｇショック」（衝撃に強い腕時計）をもらった。「電池を入れ替えたら新しい時を刻み出すやろ。そこからお前の第二の人生スタートや」と。芸人を辞め家業のＳＳを継いだことに「後悔はない」と永田社長。ショートコント教室を開くなど、ＳＳでの取り組みに“元芸人らしさ”を打ち出す。人が集まり笑顔になれる場所を目指して。