全国 市場

年末年始 暖冬、天候で明暗

北は減販、南は堅調目立つ
札幌市の住宅地では、ほとんどのSSが三が日を休んでいた
札幌市の住宅地では、ほとんどのSSが三が日を休んでいた

 札幌市は2週続いた仕切り値上げの3円程度を転嫁する動きが12月27日以降広まった。年が明けてからもセルフ149円程度、フル151~2円、安値量販セルフ147・8円表示のままで推移している。
 概ね天候に恵まれた北海道だが、ガソリンの売れ行きはあまり良くなかったようだ。札幌市の業者は「休みが長くてメリハリがなかった。景気が悪いからみんな余計なものは買わない。だから燃えてなくなるガソリンは売れない。残念な結果に終わった」と嘆く。
 暖冬傾向が続く影響で、灯油販売量も伸びていない。札幌市では40年ぶりの記録的な少雪で積雪が平年の1割程度しかなく、ロードヒーティング用の需要はほぼない。除排雪の必要もなく、除雪機や排雪トラック向けのガソリンや軽油も全く売れない状況が続いている。働き方改革が進んだためか、札幌市内では三が日を休業とするSSがセルフを含めて多かった。
 東北地方は青森で大みそかに降雪があった以外はほとんどまとまった雪が降らず、除雪作業向けの軽油需要が全くなかった。昨冬は年末に大雪が降って灯油配達の注文が殺到したが、今季はそれもなく灯油も伸びず仕舞い。樹氷で有名な山形蔵王スキー場は大半のゲレンデで草地が見られる状態で、蔵王温泉のSSではスキー客の給油が大幅に減った。レギュラーのセルフ価格は、盛岡市で3円高の139~143円、山形市も2円高の142~159円と年末に強含んだ。福島市は年明け6日から強含んで152~5円となり、年末に上振れした仙台市も144~150円で推移した。秋田市は145~7円、青森市は134~148円でともに横ばい。
 中四国地方も期間中は例年に比べ暖かい日が多く比較的好天にも恵まれたが、全体的にガソリンの販売量は例年並みと大きな伸びはみられなかった。一般道のSSでは「ガソリンは例年並み」「灯油は良くない」といった声が多くを占めた。一方で高速道路の交通量は昨年に比べ7%程度増加し「販売量も一昨年並みに戻った」(広島)と昨年の西日本豪雨の影響からの回復がみられたようだ。
 四国地方では「ガソリンの販売量は例年並み」(香川)で推移した。洗車については29~30日が雨というぐずついた天候の影響で伸び悩み、気温に敏感な灯油も「昨年に比べると少ない」という声が多かった。
 九州は年末年始とも晴天が続き、行楽客もほぼ例年通りだった。福岡市のガソリン価格は147~152円を維持、各県とも全体的には堅調だった。しかし、熊本、長崎などの一部地域では低下価格競争が続いた。消費増税による減販が懸念されていたが「これまでの年末年始に比べてそれほど変わらなかった」(大分)ようだ。一方で、暖冬のために灯油の売れ行き不振は深刻で、山間部のSSは軒並み大幅に減り、SSは「前年に比べると3、4割は減った」とため息。各地の神社や行楽地へ向かう道路は車の列が続き、なかでも万葉集に記された元号ゆかりの地、福岡の太宰府天満宮は令和初の正月を迎え、県外ナンバーのマイカーも目立ち、周辺は大渋滞し、給油客も多かった。