関東・東京 市場

関東・広がる価格差に不安感

安定地域はセルフでも150円超えが見られる
安定地域はセルフでも150円超えが見られる

 安定地域と激戦地との格差が色濃くなっている関東の石油製品市場。コスト増に伴う確実な転嫁が求められる局面で、いまだに量販指向を緩めない一部のSSに対し、地場業者からは「ばかげた競争はやめてほしい」と訴える声が上がる。
 関東圏内のガソリン価格はフルサービスで146~150円程度で推移。12月半ばから仕切りが上昇局面に入っていたこともあり、安定地域では160円に近い価格を打ち出しているSSも存在する。
 一方で「150円・140円の壁」が立ちはだかっている地域も多い。異業種SSをはじめ、激戦地の一部セルフは140円割れを掲示。また、プリカ価格やカード割引などで10円近い値引きが入り、実売価格が140円割れとなっているSSも散見される。
 こうした状況に対し、複数SSを運営する地場業者は「粗利20%を目指しているが、現状は10%も取れていない。突破口は見えないが、なんとか状況を打開して前に進みたい」と頭を悩ませる。
 さらに「採算経営を一貫しているが、どうしても極端な安値SSの影響を受けてしまう。薄利多売を続けていても疲弊するだけだということに気付いてほしい」「油で利益を出してなんぼの商売なのに、なぜ自分で自分の首を絞めるのか」と憤る声も上がっている。
 別の地場業者は「いまは安定しているが、裏を返すと今後が心配。仕切価格が値下がりに転じたので、一気に量販指向が再燃する可能性がある」と警鐘を鳴らす。