全国 東北 特集

【2020 新年特集】 全国企画(山形) 我が社・SSの金メダル

~地域にさん然と輝く取り組みを紹介~

 東京オリンピック・パラリンピックイヤーとなる2020年の全国企画を飾るのは、『我が社・SSの金メダル』。①水産王国稚内を支えてきた販売業者②地域貢献でソフトバレーボール大会を後援する販売業者③金メダル級のお米を販売する販売業者④コーティングの全国大会に山梨チャンピオンとして出場したSSマン⑤24年のパリ五輪を目指す中学1年生を支援する販売業者⑥全国制覇を果たした軟式野球部を持つ販売業者⑦洗車の技術と顧客管理で圧倒的な実績を上げるSSウーマン⑧シェルのリテーラー部門世界一となった販売業者⑨旧銀行の建物を維持・管理し、町おこしを支える販売業者―という、9つの地域にさん然と輝く金メダル級の取り組みを紹介する。

老若男女が競技を楽しんだENDO杯
老若男女が競技を楽しんだENDO杯

遠藤商事・ソフトバレー普及に貢献
スポーツ振興支援を広げ恩返し

 山形市の山形県総合スポーツセンターに昨年11月、老若男女の歓声がこだました。だれでも気軽に楽しめるソフトバレーの大会「ENDO杯ソフトバレーフェスティバル」。山形、宮城両県に20SSを展開する遠藤商事(本社・山形市、遠藤靖彦社長・コスモ系)が県バレーボール協会と共催する大会は27年目を迎えた。
 大会発足は、遠藤栄次郎会長が協会幹部から「バレーボール普及のため協力してほしい」と懇願されたのがきっかけ。山形県では当時、ソフトバレーの知名度は低く、大会もなかった。同社は大会づくりを快諾した。1993年の第1回大会の参加者数は約500人だったが、大会をきっかけに競技人口が広がり、第8、9回大会では1500人を超えた。遠藤社長も若いころには遠藤商事チームの一員としてコートに立ったことも。その後、体育の授業に採用する学校も現れ、大会はソフトバレーの普及に大きく貢献した。山形では一定の経済基盤を築き上げた企業がなにかしらの社会貢献を行う風土が根付く。遠藤社長は「地域の人に選ばれて商売を広げることができたのだから、地域に恩返ししていこうというのが会社の一貫した考えだ」と話す。
 遠藤会長は95年から9年間、山形県体育協会(現県スポーツ協会)の会長を務めた。全国の体協で初の民間人会長だったこともあり、スポーツ振興のための支援を加速する。サッカーJ2のモンテディオ山形のチーム設立に尽力し協賛してきたほか、プロバスケットボールチームの支援も続けている。
 有能な若い力を育てるため95年に設立した公益財団法人エンドー学事振興会は、これまで152団体に計6614万円の助成金を贈呈。その中から冬季五輪スピードスケート銅メダリストの加藤条治さんらが育っていった。
 遠藤社長は「高校の部活動や文化団体の活動も運営は厳しいようなので、これからも地域のためにできるだけ応援を続けていきたい」と話している。