近畿・大阪
市場
2020年1月21日
期待外れの冬商戦
暖冬傾向響き油外伸び悩み
近畿地方のガソリン価格は昨年12月初旬から上昇基調をたどり、セルフSSでは145円の価格表示が確認されるまでになった。元売各社の仕切り値上げが続き、収支を安定化させたい企業の意識が市場に浸透しているのは確かであり、ようやく訪れた採算機運に業者からは「ガソリン需要が右肩下がりになる中、利益の確保は適正利幅」との声も聞こえている。
年明け早々も仕切り値上げ分のコスト転嫁が課題となっていた近畿各地のSS。ようやくその解消に向け、業者の意識が高まりをみせている。
滋賀県の業者は「これからのことを考えると収益安定が第一。そのための努力は惜しまない」と経営環境を好転させるべく意欲的だ。奈良県の業者も「JASSが安値を続けているが、いまは採算が最優先。フルサービスでは150円台の価格設定も出現した」と言う。
さらに昨年、出光昭和シェルの統合によるJXTGとの二大元売の誕生で「これからますます採算性を問われることになる。SSの安定収益が肝心だ」と断言する。安値販売による量販指向では統合の波にのまれかねないという危機感も今回の採算機運を押し上げているようだ。
兵庫県の業者は「激戦地では130円(外税)という信じられないような表示もあることは知っているが、その価格は意識しない。なによりコストの完全転嫁が重要」と安値とは一線を画している。
各地で高まりつつある採算機運について京都府の業者は「新年を迎え不安定な中、中東情勢もあり一段の努力が必要。採算重視で乗り切るしかない」と意欲を高めている。