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2020年1月24日
“船舶先取特権”を維持
船舶抵当権に優先
全石連農林漁業部会の菅原耕部会長は1月17日開いた会合で、「“船舶先取特権”の優先が維持されたことを周知する必要がある」と指摘、改めて関係者の理解促進を呼びかけた。
その経緯を振り返ると、2014年から18年までの間に法制審議会商法(運送・海商関係)部会が合計18回の会合を重ねた。会合では「船舶先取特権は公示がないにもかかわらず、船舶抵当権に優先する強力な効力が認められている」ことから、条約などを参考にしつつ「被担保債権の範囲を狭めるべき」と提起されたのに対し、全石連は「中小石油販売業者は弱者であり、燃料債権が船舶抵当権に劣後することになれば、燃料債権が回収不能となりかねず、経営への打撃が大きい」などと訴え、現行規律を維持すべきとの意見書を提出した。
その後、15年に提示された中間試案は、船舶抵当権が優先する場合の条件を付けた2案も盛り込み、参考人ヒアリングでは反対の立場から全石連・全漁連・中小型造船工業会、賛成の立場から全銀協・船主協等が意見を陳述。最終的に「船舶先取特権が船舶抵当権に優先する」との現行規律を維持することで決着し、改正法が昨年4月1日から施行された。