東京・都のZEV化目標に不信続出
東京石商・協(矢島幹也理事長)は1月21日開いた定例理事会で、東京都が昨年12月末に『ゼロエミッション(ZEV)東京戦略』や『ZEV普及プログラム』を発表し、2030年に「都内の乗用車新車販売台数に占めるZEV割合を50%」、50年には「都内を走る自動車はすべてZEV化」するなどの目標を打ち出した(一部既報)ことに対して強い不信を訴える声が相次ぎ、東京都石油政治連盟(大家章嘉会長)と連携しながら厳正に対処していく方針を固めた。
都は災害時にも石油製品が安定的に供給されるよう販売業界に協力を求め、SSネットワークおよび“最後の砦”の崩壊に危機意識を高めてきた一方で、10年後には新車の半分をZEV化する挑戦的な目標を掲げた格好。2年前にも小池百合子知事が一般紙の取材に対し「40年代にはガソリン車を購入しなくてよい環境を整えたい」とし、“都、脱ガソリン車へ”という見出しに至った経緯もある。
会合ではそのほか、19~20年度における役員推薦会議の議長として飯田武広、副議長として比毛新太郎、磯野康祐の各理事が選任されたこと、今年度の全石連共同事業増強キャンペ―ンでロール紙・給油伝票と洗車タオルの2種目で目標を達成したことなどを報告した。
また、東京しごと財団からの受託事業である『団体別採用力スパイラルアップ事業』への参加を重ねて要請した。3月9日にはキックオフイベントを開催し、カービジネス研究所の堀越勝格社長が「石油業界における働き方改革/魅力ある職場づくりに向けて」と題して講演する。
一方、仕入価格調査への回答者数が減っていることから、改めて協力を呼びかけた。
理事会後に開かれた役員新年会であいさつに立った矢島理事長は「中東情勢、米中貿易摩擦、英国のEU離脱など心配事が山積している。灯油とガソリンの販売不振も懸念されるが、働き方改革や人手不足への対応が不可欠。今年も持続可能な業界づくりに一層の協力をいただきたい」などと強調。来賓出席した全石連の森洋会長は、住民拠点SSの追加整備に対する積極的な活用を要請するとともに、消防規制緩和も踏まえた多様なビジネスモデルづくりの必要性を訴えた。