【2020 新年特集】 全国企画(静岡) 我が社・SSの金メダル
東京オリンピック・パラリンピックイヤーとなる2020年の全国企画を飾るのは、『我が社・SSの金メダル』。①水産王国稚内を支えてきた販売業者②地域貢献でソフトバレーボール大会を後援する販売業者③金メダル級のお米を販売する販売業者④コーティングの全国大会に山梨チャンピオンとして出場したSSマン⑤24年のパリ五輪を目指す中学1年生を支援する販売業者⑥全国制覇を果たした軟式野球部を持つ販売業者⑦洗車の技術と顧客管理で圧倒的な実績を上げるSSウーマン⑧シェルのリテーラー部門世界一となった販売業者⑨旧銀行の建物を維持・管理し、町おこしを支える販売業者―という、9つの地域にさん然と輝く金メダル級の取り組みを紹介する。
第一商事・パリ五輪目指す選手と契約
原石を埋もれさせてはいけない
未来のオリンピアンを地元からサポートしようと、第一商事(本社・静岡県磐田市、清水聖也社長・JXTG系)は昨年8月、自転車BMXフリースタイル・パークの密岡奏央選手とスポンサー契約を結んだ。遠征などに使う車両のガソリン1年分を支援する。
パークは自転車を巧みに操り、ジャンプ台などを使って制限時間内に技の難易度や正確性を競う。密岡選手は同市立南部中学1年生の12歳ながら、昨年4月に広島で行われた世界大会アマチュアクラスで5位入賞を果たした有望株。2020年の東京五輪は年齢制限で出場できないため、24年のパリ五輪を目指している。
応援契約について清水社長は、「地元に恩返しをしたいという気持ちと、地域全体で支援する輪が広がるきっかけになれば」と語る。社長の次男は密岡選手と幼馴染。「家も近所で、練習する姿もずっと見てきた」と特別な思いもある。密岡選手の自宅の庭には、父・信也さんの手作り専用パークがあり、平日はそこで練習している。
週末は父親の車で神奈川や三重、京都にある練習場に出向き、トレーニングに励む密岡選手。清水社長は「SSを運営しているので、移動に必要なガソリンを提供して手助けしたい」と、地元の逸材の応援に手を挙げた。密岡選手は「サポートはとてもうれしい。遠征にたくさん行ってパリ五輪に出られるように頑張る」と話しているという。
清水社長は全国高校総合体育大会(インターハイ)のソフトボール男子で、ベスト16入りした経験を持つ。「どのスポーツもそうだが、高いレベルを狙うには周りのサポートが大事。原石を埋もれさせてはいけない」と考えている。
「最近、密岡選手がパリ五輪の強化指定選手に選ばれたといううれしい知らせが届いた。五輪に出場したら、社員旅行はパリにして皆で応援に行きたい」と熱い期待を寄せる。磐田の期待の星とともに、パリ五輪の切符をつかみにいく。