全国 組織

全石連 技術開発実証・過疎対策計画 2事業を採択

SS供給網の維持・強化支援

 全石連の次世代の燃料供給体制確立に向けた「技術開発・実証およびSS過疎地対策計画策定支援事業審査委員会(委員長=久留島守広東洋大学国際地域学部教授)」はこのほど、今年度当初予算で措置された「次世代燃料供給体制構築支援事業」のうち、①技術開発・実証と②SS過疎地対策計画策定支援事業で申請のあった各1事業の計2事業を採択した。これによって今年度は①技術開発・実証で4件、②SS過疎地対策計画策定支援事業で3件の計7事業が行われることとなった。
 国の補助事業として実施されるもので、①次世代燃料供給体制確立に向けた技術開発・実証は、過疎化・人手不足などの課題克服に向け、地域の実情等を踏まえた新たな燃料供給体制の確立やビジネスモデルの構築に係る新たな技術の開発や実証事業など後押しする。
 ②SS過疎地対策計画策定支援事業は、過疎地などにおけるSSを中心とした燃料供給拠点の確保に向け、自治体が取り組むSS過疎地対策の計画づくりを支援する。
 今回採択された2事業のうち、①はトキコシステムソリューションズが昨年の相次ぐ大型台風の襲来を教訓として、水害に強いSSづくりに向けて、冠水被害を受けたSSで水が引いた後に部品交換が必要な従来機に比べ、交換不要で早期復旧が見込める完全冠水対応計量機の完成を目指し、計量機搭載用の防水・防爆モーターなどを開発するもの。
 ②は静岡県西伊豆町がSS維持による燃料安定供給と災害時における燃料確保に向けた計画策定を行う。同町内では、後継者不足によって、2005年時点で町内に9ヵ所あったSSが3ヵ所にまで減少し、現存するSSも需要減少と施設老朽化の課題を抱えている。また、同3SSが南海トラフ地震における津波浸水区域内に所在し、災害時の燃料確保も喫緊の課題となっていることから、官民で協力し、平時・災害時を問わず常に安定した燃料供給が可能となる仕組みを検討していくこととしている。