18年度官公需共同受注実績 北海道が全国トップ
官公需適格組合の資格で共同受注事業を行っている道内9石協の2018年度受注実績(全石連調べ)の合計金額は26億6797万円に上り、2年連続で前年度実績を上回った。石油製品単価の上昇が受注金額を押し上げた最大要因だが、災害時協定の締結を背景とした新規契約も見られ始めている。全国47都道府県の石商の中でも受注金額が20億円の大台に乗ったのは2道県だけで、前年度に続けて北海道が1位になった。
北海道の18年度官公需受注実績金額は、官公需適格組合資格を持つ9石協の合計で26億6797万円。前年と比較すると2・4%の増加、6158万円の増額となり、2年連続で前年実績を上回った。全国でみてみると、同年度の受注実績額がこのほかに20億円を超えたのは24億1009万円となった岩手だけで、北海道がトップを維持した。
受注金額が増加した最大要因は石油製品単価の上昇にある。このほかの要因としては、帯広市役所などを対象とする共同受注事業を17年度から取り組み始めた帯広が、大口の納入先となる十勝圏複合事務組合と随意契約で新たに納入を開始。また、苫小牧が18年7月に災害時協定を締結した道開発局室蘭開発建設部から随意契約での新規契約を獲得している。ただ、新規契約を得た石協がある一方、民間との取引に移行したために受注先を失った石協もある。
18年度実績を石協別にみると、帯広が44・4%、留萌、上川北部、苫小牧、胆振が10%を超える大幅増となった。金額では札幌が5億8221万円、釧根が5億5653万円、宗谷が3億6881万円で、いずれも県石商並みの数字に達している。
なお、15年夏には、災害時協定に参加する中小石油販売業者への配慮を明記した国の官公需基本方針が閣議決定されている。北石連はじめ各地方石協は各官庁・機関にこの方針に基づく官公需対応の要請を続けている。
北石連の河辺善一副会長(道油政連会長)と前川正一専務理事は、昨年10月に自民党道連が開いた政策懇談会に出席し、11人の道議会議員に災害時協定に基づく平時からの燃料調達の重要性を説明した。道連は同11月の道議会決算委員会でこの問題を質し、知事から「(各部局に)官公需適格組合との随意契約の検討を促す」など前向きな答弁を得た。官公需共同受注事業に取り組む各石協は、この答弁が実行され、道関係の納入先が増えるよう期待している。