消防庁 効率化・多角化で省令改正
総務省消防庁は12月20日、SSの保安規制の一部を改正する省令を公布した。改正省令は、①ガソリンの容器詰替販売における本人確認等(12月25日付1面既報)と、SS業務の効率化・多角化を促す②セルフSSにおけるタブレット端末等による給油許可③SSにおける屋外での物品販売等―となっている。市町村内にSSが3ヵ所以下のSS過疎地が増えるなど、石油製品の安定供給基盤であるSSの減少が顕在化する中で、保安規制を緩和することでSSの効率化や多角化・多機能化を促し、平時・有事を問わず地域に欠かせない燃料供給インフラの維持・強化を後押しするもの。
具体的には、②セルフSSでセールスルーム内や事務所内の制御卓で行うこととしている給油許可について、タブレット端末等によって、SSフィールド内でも行えるようにする。さらに③新・中古車販売、レンタカー・カーシェア、宅配ボックスの設置といったSSの多角化・多機能化に資する事業などを、原則として建築物の1階で行えることとしているこれらの業務について、火災予防上の支障がない場合には、建築物周囲の空地でも行えるようにする。施行日は②③とも4月1日。
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消防庁は省令改正に伴い実施したパブリックコメントに対する回答も公表した。パブコメでは、全石連は②について、その取り扱いの基準や具体的な運用方法等について、別途、運用要領を明確に定めることにより、中小・小規模事業者が経営上不利にならないような方策の策定を消防庁に求めた。消防庁は今後、運用上の指針を示すこととした。
また、③についても全石連は「所轄消防によって運用上の解釈が区々になる」「大手流通業者等が自己の都合のいいように拡大解釈する」などの懸念を表明し、中小・小規模事業者が経営上不利にならないような方策を講じるよう求めており、これについても消防庁では具体的な運用指針を定める方針を示した。
一方、全石連では屋外給油取扱所のキャノピー制限(3分の1以下)についても、規制緩和を求めているが、消防庁では、引き続き「過疎地域等における燃料供給インフラの維持に向けた安全対策のあり方に関する検討会」で検討する考えを示した。