市場

仕切り上昇、舵取り正念場

 年末から仕切りが高騰していることに、SSは厳しい局面に立たされている。年始を挟んで3週連続4円の仕切り値上げで、平均的なセルフSSの実売価格は140円台から150円台に入ることは確実な情勢で、業者からは「これ以上の値上げは消費者の買い控えを加速する」との危機感も強いが、いまや仕切り上昇分のコスト転嫁は待ったなしの状況。ドバイ原油はここにきて乱高下を続けているが、「元売の仕切りが上げ基調なのは間違いない」とみる業者が多く、さらなる値上げへの対応を考える業者が多い。
 全国的には年末2週間の大幅仕切り値上げには「やむを得ない」との声が多かった石油販売業界。8日以降の仕切り1円アップも「中東情勢を見ればあり得ること」との声が聞かれた。安定市場ではセルフSSのボトム価格が145円以上となり、年始からはさらに値上げせざるを得ない状況に陥っている。
 セルフSSは「消費者が150円を超えるガソリンを買うことへの抵抗がどれほどあるのかを見極めたい。これからは収益性が問われる事態が続く」と話し、減販に耐えられる運営を重視する意向を明らかにしている。
 ただ、広域PBSSなどがいまだに130円台のガソリン価格で販売を続けることに、周辺SSからは「価格差は拡大している。安い業転を仕入れているのではないか」と疑念を強めている。これに対し商社は「安い業転はうちも買いたい。安く売れる状況にはない」とし、廉売行為は相当な無理の上に成り立っているとの見方を示す。
 大手業者は2月の閑散期に向けて収益性を高める必要性を指摘するとともに、「150円を壁と感じること自体がおかしいことを自覚すべき。中東情勢は消費者も理解し150円を超えるガソリン価格には理解を得られる」と話している。