国際 行政・政治

共同石油備蓄強化へ アブダビと事業拡充で合意

合意文書に署名した㊧からジャーベル大臣、安倍首相、ムハンマド皇太子、牧原副大臣
合意文書に署名した㊧からジャーベル大臣、安倍首相、ムハンマド皇太子、牧原副大臣

 経済産業省は1月14日、前日にアラブ首長国連邦(UAE)アブダビで、安倍晋三首相とムハンマド・アブダビ皇太子の臨席のもと、牧原秀樹経済産業副大臣とジャーベルUAE国務大臣との間で、共同石油備蓄事業の拡充および継続に係る合意文書の署名と交換が行われたと発表した。
 今回の合意で、同事業を3年間延長(2年の自動延長付き)するとともに、アブダビからの要望に応じ、貸与タンクの容量を100万㌔㍑から130万㌔㍑まで増量することが盛り込まれた。130万㌔㍑の原油は、日本の内需の約4日分に相当する。
 同事業は、日本国内の原油タンクを、日本政府の支援の下でアブダビ首長国国営石油会社(ADNOC社)に貸与し、平常時には同社が日本を含む東アジア向けの供給拠点として活用する一方、日本への原油供給が不足するといった緊急時には、同原油タンク内の原油を日本向けに優先的に供給する、というもの。2009年にアブダビ側からの提案を受け、同年6月から開始した事業で、今回で2回目の延長となる。
 米国とイランの対立が激化するなど中東情勢が緊迫化する中で、日本の原油輸入の約25%を依存するアブダビ首長国との関係を強化するとともに、日本の危機対応能力を向上させる重要な事業の1つとなっている。