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東京都 50年全車ZEV化へ

「ゼロエミッション東京戦略」策定

 東京都は昨年末「ゼロエミッション東京戦略」を策定、2050年ごろのCO2排出量実質ゼロに向け、都内を走る自動車はすべてゼロエミッションビークル(ZEV)とする姿を目指す方向性として打ち出した。
 都内のCO2排出量(18年度)に占める運輸部門の割合は全体の2割、うち8割を自動車が占めており、ウェル・トゥ・ホイール(=燃料入手~走行段階までを通した環境負荷)の視点からも脱炭素化が必要との前提に立ち、都内における乗用車新車販売の1・6%となっているZEV比率をはじめ、公共用の急速充電器約300基・普通充電器約2200基、水素ST14ヵ所などの現状に対し、車両開発促進や車種多様化、充電器等のインフラ整備拡大等を誘導し、普及を本格化していく考えだ。
 具体的には、50年に向けたチャレンジとして、電池技術の革新や非接触充電器の普及など次世代技術の活用等により、都内で新車登録される乗用車やバス・タクシー、貨物車などの業務用車両をZEV化。また、再生可能エネルギー由来電力・水素の導入拡大により「脱化石燃料への大幅移行」を実現させる。さらに、ZEVを家庭や地域にも活用するエネルギーマネジメントの高度化、MaaS等を通じた移動弱者ゼロ対策等への貢献にもつなげていく。
 その過程にある30年の主要目標として、乗用車新車販売の50%をZEV化、ZEバス300台以上導入、小型路線バス(定員30人程度)新車の原則ZEV化、急速充電器1千基、水素ST整備150ヵ所に挑む。目標達成に向け、事業者への整備支援や都有施設での率先導入などを通じて充電器や水素STを集中的に整備するほか、建物新築時等に充電器設置を促す仕組みを新設したり、個人や企業によるZEV購入支援、ZEV中古車の利活用に向けた市場動向調査、レンタカー・カーシェアリングへのZEV導入による都民の利用拡大などを多面的に後押しする。
 一方、エネルギーマネジメントの観点から、災害時におけるZEVの給電機能活用など、クルマの概念として「移動する時にだけ使う」から「停まっているクルマも使う」という変革の訴求を強めていく。