東北 市場

盛岡 ガソリン価格140円台乗る

高まる粗利優先意識

 陥没が長引く盛岡市内のガソリン市況が昨年末から引き締まり、年明け後にはセルフ価格の地域最安値が一時8ヵ月ぶりに140円台に乗った。これまで国道4号沿いの廉売競争に合わせ1~3円差で追随してきた地場SSが、量よりも粗利優先に動いたことが最安値の上昇にもつながったようだ。

140円台に回復した盛岡市内のガソリン市況
140円台に回復した盛岡市内のガソリン市況

 昨年のセルフ最安値は年初の129円でスタートし、5月の連休中に上昇して一時140円を付けたが、9月には再び120円台に転落した。10月に130円台半ばまで急回復し、年末には139円まで上昇。年明けにセルフの地域高値が146円を付けたのに引き寄せられるように、地域最安値も一時140円をつけた。
 盛岡市内のフルSSは「これまで廉売SSに合わせて価格を抑えても売り上げは伸びなかったことで、客を減らしても粗利を確保したほうが良いと考えるSSが増えてきた。固定客をつかんでいれば、5円格差なら十分戦える」と話す。セルフSSは「秋田市内のグループSSより10円以上安い時期が長かったが、ようやく同水準に近付いた。粗利はまだ十分ではないが、この状況が続いてほしい」と話す。
 市況が陥没していた間は、山形県のコストコかみのやまの会員価格より安い時期もあった。資源エネルギー庁調査によると、岩手県の12月下旬のガソリン小売価格は144・7円と全国で埼玉県に次いで安く、11月の粗利は13・3円で徳島県に次いで少額だ。盛岡市場の全県へ及ぼす影響は大きく、他地域のSSからも盛岡市況の継続した回復を望む声が上がっている。