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徳島 成瀬エネ庁流通課長補佐が説明 過疎地協議会が初会合

那賀町のSS過疎対策検討

 徳島県那賀町における燃料供給不安の解消と将来に向けた供給体制の確保のため設置された「那賀町SS過疎地対策協議会」の初会合が先ごろ、那賀町役場本庁で開催され、成瀬輝男資源エネルギー庁石油流通課課長補佐が、SS過疎地対策の課題と検討状況などについて説明を行った。

燃料供給体制の現状や拠点確保に向けた課題などを検討した那賀町SS過疎地対策協議会
燃料供給体制の現状や拠点確保に向けた課題などを検討した那賀町SS過疎地対策協議会

 成瀬課長補佐は「ガソリンの販売量は少子高齢化や自動車の燃費向上などで減少傾向が続いており、今後もその傾向は続くと想定されている。それに比例するようにSS数も1994年度末のピークに比べ約半数まで減少している」とSS業界の状況を説明したうえで、その影響を受け社会問題化しているSS過疎地について言及。「2018年度末時点でSS数が3ヵ所以下のSS過疎地は全1718市町村のうち325市町村あり、地域住民の生活環境の維持や災害時の燃料供給拠点を確保する観点からも、地域ごとに持続可能な燃料供給体制の確保に向けた早急な取り組みが求められる」との見解を示した。
 具体的には、「売り上げが伸びない以上、コストを削減する効率化と人手をかけないことが重要。採算分岐点を越える時にいかに対策を取るかが大事。SSは住民サービスや防災という観点からも社会インフラ的な位置付けにあり、最低限なくては地域生活が維持できないという視点でSS過疎地対策を進めている」と説明した。
 今後は「現在事業を行っている者が効率化を図り経営を強化していくことが一番だが、10年後、20年後のさらに厳しい環境でもやっていけるよう、効率的なプランが必要」との考えを示し、新たな燃料供給体制の構築に向けた実証実験を紹介。そして「将来にわたる燃料供給拠点の確保を地域全体で支える仕組みができるよう検討をお願いしたい」と参加者に協力を求めた。