関東・東京 市場

長野・多重価格表示・早急な是正が必要に

 業界が自主規制のための指針として作成した「価格表示ガイドライン」に則り、不明瞭な価格表示を廃し、「1枚看板」の実践に取り組む地域が多い長野県。しかし、価格競争が一部地域では、特売日やプリカをはじめとするカード価格の表示など、依然として多重価格表示が後を絶たず、消費者保護の観点からも、早急な表示看板の是正が求められている。
 長野県では、価格競争により経営環境は厳しい状況が続いており、多重価格表示が「市場混乱の原因となっている」と指摘する声は多い。このため、「価格表示ガイドライン」に沿った是正に取り組むが、一部の元売販社や関係会社などに多重表示が残る。早期の是正の必要性を指摘する販売業者は、「自主規制のためと訴えても聞き入れてもらえず、落としどころがない」と指摘。「どこかのSSが多重価格表示を行えば、周辺SSも対抗上、追随する。多重価格表示は消費者に誤認を与える恐れがあり、一刻も早くやめるべき。誤認が広がれば、SSへの信頼感も失われてしまう」と困惑する。
 また、掲示される看板の1つに元売カードのPRがあることについて、民族系販売業者は、「店頭に具体的な値引き金額を強調する大きな看板を掲げるよう元売が主導するのはいかがなものか」と指摘し、元売の方針に疑問を呈する。
 消防法省令改正の規制強化に伴う設備投資など、SSへの再投資が避けられない状況の中で、採算経営への足がかりや、消費者保護の観点からも、早急な表示看板の是正が求められている。